⑤「環境王国いわてにむけた取組みについて」(12月定例会一般質問)
Q.(私)
「環境王国いわて」の実現のためには、かけがえのない地球環境を守り、限りある資源を有効に活用していこうとする「循環型社会」の形成が重要です。
県でも、「ものを大切にする」、「ごみは出さない」、「資源を大切に使う」というごみの減量・リサイクルを通じた3R(リデュース、リユース、リサイクル)の行動が、「環境王国いわて」のライフスタイルの基本としています。
一方、本県の災害廃棄物推計量は525万トンで、平成26年3月の処理完了を目指していますが、本年10月末現在の処理進捗率は19.7%となっています。しかし、県内のゴミ処理施設では、被災地からの災害廃棄物を受け入れることにより、その処理量が増加しています。災害廃棄物の処理が早く終わるにこしたことはなく、私たち県民の日頃のゴミの軽減により、少しでも県内のゴミ処理施設の負担や最終処分場での埋立量を減らすことが求められています。
県民1人ひとりの日常的な取組みを通じて災害廃棄物の処理を一日も早く終わらせることは、震災の復興はもちろんのこと、真の環境王国いわての実現に向けた、県民意識の醸成・高揚にもつながるものと考え、順次質問します。
リサイクル率の向上と普及について
平成22年度の岩手県のリサイクル率は18.7%で、全国平均の20.8%を下回っています。岩手県のリサイクル率は、ここ数年をみてもほぼ横ばいで、常に全国平均を下回っています。県内市町村別のリサイクル率をみると、滝沢村、住田町、紫波町が常に上位を占めています。県として、そのリサイクル率の高い要因を把握・分析し、リサイクルの優良モデルとして、他市町村への普及に取り組んでいるのか。今後リサイクル率を向上させるためどのように取り組むのか伺います。
古着のリサイクルについて
リサイクルは、ガラス瓶・紙・プラスチック等の容器包装のリサイクル、家電のリサイクル、携帯電話や電池やパソコン等のリサイクル、古着のリサイクルに大別されます。
これらの中で、身近で可能性が十分あるのに、取り組みが不十分であるのが古着のリサイクルだと考えます。古着のリサイクルをもっと推進すれば、岩手県のリサイクル率の向上に寄与できるものと考えますが、県の所感を伺います。
(最下部に再質問あり)
A.(環境生活部の答弁)
(1) リサイクル率の向上について
ア 県としてリサイクル率の高い要因を把握・分析し、リサイクルの優良モデルとして他市町村への普及に取り組んでいるのか。
イ 今後のリサイクル率の向上のためにどのように取り組むのか。
1 県内でリサイクル率が最も高い岩泉町では、平成14年度にリサイクル推進員を設置し、ごみの分別に係る個別訪問による指導を地道に取り組み、古紙などの集団回収を積極的に実施しております。
また、紫波町では、住民団体などが主体となって、3R推進のイベント・事例発表や地区毎の座談会の開催を行うなど循環型の地域づくりに積極的に取り組んでおります。
2 県では、こうした先進事例を市町村担当職員からなる『家庭ごみ有料化・減量化研究会』の場などを活用しながら情報共有するとともに、技術的な助言や普及啓発活動などを通じてリサイクル率の向上に努めており、リサイクル率の低い市町村の底上げを図るとともに、今後とも積極的に取り組んで参ります。
(2) 古着のリサイクルについて
古着のリサイクルの推進について、県の所感を伺う。
(古着のリサイクルの取り組みは身近で可能性があるものの、取り組みが不十分である。県のリサイクル率向上のために推進が必要と考えるがどうか。
1 主に工業用雑巾(ウェス)などの原材料としてリサイクルされてきましたが、近年では再生事業者の引取数量が減少した影響などから資源化量は減少傾向にあり、現在、分別回収を実施しているのは6市町村にとどまっております。
2 こうした中、新たに県内の古着販売事業者と市町村が連携し、リユースに比重を置いた集団回収が始まってきており、今年度は6市町村において、自治会、子供会などと連携して、8月から10月までに約60トンが収集され、再利用に回されているところであります。
3 古着の再利用は、工業用雑巾などへの再生利用が減少する中にあってリサイクル率向上のための有効な方法の1つでありますことから、こうした取組みを『もったいない・いわて3R推進会議』や『家庭ごみ有料化・減量化研究会』において情報共有するなど、今後、古着の資源化を一層進めて参ります。
(再質問)
ごみ処理広域化と災害廃棄物処理との関係について
(リサイクル率の向上は、災害廃棄物処理を進める観点からも必要であるが、現在、ごみ処理広域化の課題がある。ごみ処理広域化が災害廃棄物処理に影響を及ぼさないのか、所見を伺う。)
ごみ処理の広域化とがれき処理の関連についてのお尋ねですが、ごみ処理の広域化は長期的な観点から、ごみ処理の効率化を図るという観点から進めているものでございまして、現在のところ、具体的な構想が策定されておらないのが、盛岡、県南の2箇所がこれから計画を策定していくということになってございます。これはあくまでも中長期的な観点からの推進でございます。
一方、がれきの処理につきましては、来年度を目途に処理を進めるということになってございますので、広域化の処理とがれき処理については処理能力の観点からは直接影響を及ぼし合うものではございません。
議員からご指摘のありました、リサイクル率の向上については、1人当たりのごみ排出量の減少ということにつきましては、現在の処理施設の余力を生み出すという意味で、がれき処理の推進、更には、今大変問題となっておりますが、農林業系副産物の焼却処理等につきましてもよい結果をもたらすというものでございますので、県といたしましても今後とも古着のリサイクルも含めまして、リサイクル率の向上、ごみの減量化を積極的に進めて参りたいというふうに考えております。