これまで廃棄されてきた県産食用羊の毛を利用したホームスパンやストールなどの小物作品。
岩手県では、今年度からいわてのウール「i-wool」としてのブランド化に取り組んでいます。
先日まで盛岡市のshop+space ひめくりさんで開催されていた展示販売会に私も見に行きました。
遠野市の名物にジンギスカンがありますが、
昔は、羊はあくまで「毛」の供給源で、秋になれば1年飼育した羊を処分して、家族みんなでありがたくいただくという文化があり、今では食肉事業に発展していますが、羊の飼育をスタートさせたのは、肉の生産が目的ではなかったのだそうです。
いま農村は、農家の高齢化や少子化という問題にさらされています。休耕地や荒廃農地が目立つようになりました。
放っておけば雑草だらけになってしまう田んぼも、羊を放てば草を食み、おのずと雑草は減ります。その延長線上には、田畑の景観が守られるというメリットもあります。高齢化の進む農家の労力を省きながら、羊を手段にした「草刈り」と「農村景観の保全」をテーマに掲げた取り組み。
いわて羊(ラム肉)を美味しく提供してくださるシェフの皆さんのご協力も。
県内のホームスパン工房や作家さん達が、今までは未利用だった羊毛に、新たな価値を生み出してくださっています。
ホームスパンという岩手の手紡ぎ手織り技術や地域の文化や誇りの継承、そして、持続可能ないわての農村を守り育てていく取り組みのひとつとして、これからも応援していきたいと思っています。
農家さんに工房や作家さんなどが加わることによる相乗効果は高いと期待しています。